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  ★★ガイドラインにおける初期療法の開始時期の変遷
2015年01月23日 (金)

毎年、花粉症で激しい症状がみられる患者さんには、初期療法が有効です。
初期療法とは、早い段階で、すなわち花粉の飛散初期に治療を始めることで、ピーク時の症状の軽減を期待するものです。(2013.1.28も参考にして下さい)

初期療法を開始するタイミングは、ガイドライン上においても少しずつ変更されてきました。ポイントは、「やたら早くから開始しなくても効果がある」、「薬剤によって開始のタイミングが異なる」ということです。

以下はガイドライン上の表記の変遷です。

1993
花粉飛散1,2週間前より遊離抑制薬または新抗ヒスタミン薬で治療を開始する1)

2002
早期にケミカルメディエター遊離抑制薬や第2世代抗ヒスタミン薬の投与を開始する2)

2005
花粉飛散開始とともに,または症状が少しでも現れた時点で薬物療法を開始する3)(ケミカルメディエター遊離抑制薬,第2世代抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬)

2013
第2世代抗ヒスタミン薬,抗ロイコトリエン薬は花粉飛散予測日または症状が少しでも現れた時点で内服開始し,その他の薬剤では飛散予測日の1週間前をめどに治療を始める4)


1)鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン−通年性鼻炎と花粉症−1993年版,p73
2)鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン−通年性鼻炎と花粉症−2002年版,p46
3)鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン−通年性鼻炎と花粉症−2005年版,p73
4)鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン−通年性鼻炎と花粉症−2013年版,p73



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