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  ★食物アレルギー9
2018年07月23日 (月)

せっかく少量の食物経口負荷試験(以下、負荷試験)が普及するようになっても、その結果を踏まえた食事指導の内容が医師によってばらばらです。

牛乳1mLの負荷試験が陰性の場合、
「明日から1mLまでは自由に飲んでいいですよ」
という指導がなされることがあるようですが、これだと自宅で症状が出てしまうことはないのでしょうか?
私ならもう少し安全域を設定します。
しかし、もしかしたら少しくらい症状が出ても良いのかもしれない? 誰も何もわからないのです。

負荷試験の結果だけで、自宅摂取量を決めるというものではないと思っています。年齢や特異的IgEの値、そして最も大切なのはこれまでの症状既往です。

また、ガイドラインでは、
「少量の負荷試験で陽性の場合、除去続行が原則」
みたいに書かれていますが、これに疑問を感じている医師は少なくないと思われますし、なんといっても患者さんが一番困っているところなのでは?

学会には全年齢層の患者さんを見据えた食物アレルギー対応の見解を早く出していただきたいです。
現時点における見解で良いのです。100点満点の正解なんて求めていたら何十年たってもわからないかもしれません。
エビデンス偏重がかえって臨床の発展の妨げになっているということはないでしょうか・・・。

患者さんは待っています。


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