2018年08月02日 (木)
アトピー性皮膚炎(以下、アトピー)のブログはここからです。 ブログは自分の意見を書くものだと思っています。
前回お話しした寛解導入を達成するのにいくつかの壁があります。 大きく2つに分けましょう。医療者側の壁と患者さん側の壁です。
単刀直入にお話ししましょう。 皮膚のどの部位に、どれだけの強さのステロイド軟膏を、どれくらいの量塗れば良いのか? それがわからないのです(汗)。 一般の皮膚科医や小児科医はみんな困っているのです。 アレルギー専門医の私でさえ、100%の自信はありません。 医師だってステロイド軟膏に多少の不安はあるのかもしれません。 この国の医師教育はどうなっているのか? 私は医師が悪いのではなく教育が悪いのだと考えています。 どの病院にかかっても患者さんが困らないようにしていく。 もし私が患者であったならそれが一番ですけれどね。
もう一つは、患者さん側の問題です。 寛解導入を達成するためには、完全につるつるの肌になるまで一気に治療しないといけません。十分に改善しないうちに塗るのをやめてしまったり、塗る量を加減してしまい中途半端な状態で留まったりしてしまうと目標達成ができなくなります・・・。寛解導入に失敗すると、アトピー治療はもうアウトです。 まだまだ社会的に難しい面があるのかもしれません。 我々医療関係者は口を酸っぱくして説明しているはずですが、やはり社会が変化してこないと壁がより高くなるのです。例えば、虫歯予防に歯磨きが重要なことは誰もが知っていますよね。皮膚には軟膏を塗ることやスキンケアが大切なのです。
「だいぶきれいになったのでもう良いだろう」「なんとなくステロイドは怖い」「たかが湿疹だ、命の危険はない」「勉強や部活のほうがより大切だ」・・・、これらの諸々の誤った感覚から不十分な治療に陥りやすいのです。 もうしばらく時間が必要なのでしょう。必ずや社会が変化してくると期待しています。
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